おわかれ


飼っていたオウムが、不注意でベランダからお空へ逃げてしまい
明くる日も明くる日も、名前を呼び探し回ったけれど見つからず
忌まわしいカラスたちにきっと殺されてしまったんだろうと
自分を責め、ノイローゼ気味になり、
そのことがきっかけで、旦那のことさえ疎ましく
結婚生活自体が危うくなっています…
おはようも、おやすみのキスも、オウム君でした…


という、どこかに住んでいる知らない女性の悲痛な相談内容を知恵袋で読み、

すこぶるおかしくて、ひと笑いしました。彼女、すみません。
数ヶ月前に、私も筆舌に尽くしがたい悲しみを体験して、
毎日自分でもほとほと呆れるほど泣くだけの日々を過ごしていたので、それを読んで、笑って、悲しみにようやく底が見えてきたような気がしたのでした。
うんうん、わかるけど、オウム。わかるけど、ノイローゼ。わかるけど、結婚生活。うん、わかるけど…読み進めるほど、頭の中にwがぴょこぴょこ生えました。
似ているようでまたひとあじ違う悲しみに打ちひしがれている彼女の悲しみは、たぶん納得するところのベストアンサーは得られず、むしろ彼女の夫よりもデリカシーのないであろう匿名の人たちに叩かれたりしていて、同情もするけどおかしくって仕方なくて。それを知恵袋に残した数年後に、見ず知らずの私が読んで、悲しみがほんの少し癒されたなんてことはもちろん、知りえないだろうなあ。


突然降りかかってくる類のネガティブな出来事、事故なんかに出会うと、
それまでの日々がものすごく絶好調だったように感じます。
つい昨日まで鼻くそほじってもそこに当たり前にあったことが、できたことが、
到底手の届かない、何億万ドル積んでも手に入らない、
なんて素晴らしい日々だったんだろうと気づくし、奇跡だったし、
その日を境に違う国にきたんじゃないかというぐらい景色も光も違って映ります。

だけどいま絶不調から少し浮かびあがってきて、今は今で、
絶好調のときにはわからない、幸せいっぱいのときには体験できない、
質のちがうものを、じぶんの体で感じ取って、苦いのも味わって、
また似たような絶好調でないひとのいつかの局面で、
嘘っぽくなく寄り添えるようにいられればいいなと思います。
いろんなひとにちょっとずつ助けてもらっているぶん、そう思います。
そういう風にできているんだなあと最近、思います。

知恵袋の彼女は、あっさり新しいオウムを飼って、甘い生活を送っているかしら。
あるいはひょっこりオウムが帰ってきていて、知恵袋に書き込んだことすら忘れてるかもね!

gohan.s