2014 晩夏

つかみどころのない夏をおくっている。最近あまり昔のことを思い出さなくなったし、日々にあまり起伏がなく、さらさらとしている。かつては、ただ生きているだけでつらかったこの星……と言ったら大げさかもしれないけど、いまはさら〜さら〜と日々が流れて抵抗も摩擦もほとんどなくて、穏やか。特に16歳くらいからの10年間は、なんであんなにザラザラして苦々しいものだったんだろう!とにかく日々の、多量のベビーパウダーにまみれてしまったようなこの異様な「さらさら」した感触のなかにいて、大したこともないのに毎日けらけらよく笑って、ときどきハッと、生きているってこんなあっさりした仕上がりだったっけ? 今になにかおっそろしいことが起こるんじゃないのもしかして? というような不安に駆られたり、駆られなかったり。 一方で、「夏ってこんな手応えだったかな?」という違和感からはじまり……例えばかつては、この夜風のかんじで聴く!あの甘い音楽の!凄まじい水水しさ(瑞々しさ)!なんつって悶絶していたあの夏。あの成功体験をもう一度!とリトライしてしてみても、もうなんか全然べつモノに化けてしまい、10倍希釈したものをまた氷が溶けて薄まって濁ってぬるくなったような、それはそれは貧相な味がするのである。今年はもう浴衣をとっかえひっかえ3度も花火大会に行ったけれど、 いまいちここが夏である位置確認ができないというか。なんだか、おかしいんだよな。そういえば19歳の頃なんかは、蝉の鳴き声が「シネシネシネシネシネシネシネシネ……」に聞こえたりしてとても恐かった。あの過敏さ。笑 もっと夏は暴力的に鮮やかで、それでいて解像度高く、解像度高すぎて歪んでごりごりごりごりせまってきていたはず……まあよく言えば、最近はあらゆる面でとても生きやすく過ごしやすく心が衛生的で、悲観的に捉えると、年なのか怠惰のせいなのかはわからないけれど感じ方の解像度が低く鈍く、自分の感受性くらい保てばかもの;;ってゆう詩をトイレの壁とかにしかと貼って今月は暮らすべきであるような、そんな夏です。

皆様いかがお過ごしでしょうか、残暑お見舞い申し上げます。

gohan